求人票を開いては閉じる、を繰り返していませんか。
「未経験可」と書いてあるのに、下のほうには「大学事務経験のある方は優遇」。自分の職歴で応募していいのか分からない。志望動機を書こうとしても「貴学の教育理念に共感し」から先へ進まない。周りに大学職員がいないので、誰に聞けばいいのかも分からない。
私もまったく同じ状態から始めて、4つの大学に応募して4校とも書類選考で落ちました。銀行員3年目のときです。面接に呼ばれたことすらありません。
それでも2年後、銀行員5年目でもう一度挑戦して、倍率200倍の大学に合格しました。学歴も職歴も、1回目のときと1ミリも変わっていません。変えたのは準備のやり方だけです。
いまは大学職員として7年目になります。
このページで分かること
- 転職の判断材料(年収・求められるスキル・大学業界の将来性)
- 転職までの5ステップ(何を、どの順番でやるか)
- 求人の探し方3つ(当サイトの求人一覧・転職サイト・エージェントの使い分け)
いま何から手をつければいいか分からなくても大丈夫です。上から順に読むだけで、今日やることが1つ決まるように書きました。詳しく知りたいところだけ、個別記事に進んでください。
その前に:1回目に書いていたのは「テンプレートの年賀状」でした
本題に入る前に、なぜ4連敗したのかを書かせてください。ここが分かると、この後の話の意味が変わります。
銀行員3年目の私の志望動機は、テンプレートの年賀状と同じでした。文面は同じで、大学名のところだけ差し替えて4校に出していたのです。「教育に貢献したい」「学生の成長を支えたい」——本心ではありましたが、どこの大学に出しても成立してしまう文章でした。
受け取る側からすれば、印刷された年賀状に自分の名前だけ手書きで足されているようなものです。うれしくはありません。
しかも当時の私は、大学がいま何に困っていて、職員に何を期待しているのかを何も知りませんでした。相手を知らないまま、自分の話だけを書いていたわけです。それで200倍の枠に入ろうとしていたのだから、落ちて当然でした。
つまり最初にやるべきは、志望動機を書くことではありません。相手を知ることです。ここから始めます。
大学職員の仕事をまだ詳しく知らない方へ
この記事は「転職の手順」に絞って解説しています。仕事内容・1日の流れ・教員との関係・向き不向きといった「大学職員という仕事そのもの」は、別の記事で体系的にまとめているので、先に仕事のイメージをつかみたい方はこちらからどうぞ。
給与・年収
「大学職員は高給」と言われることがあります。正確には、大学によって差が大きいが答えです。設置形態、規模、役職で変わります。
私自身は、いまの水準には納得しています。ただし昇給のペースは民間ほど速くありません。この点は正直に書いておきます。
金額そのものより価値があると感じているのは、5年後・10年後の収入がある程度読めることです。銀行時代は成績次第で上下しました。いまは上限も見えている代わりに、下振れもしにくい。住宅ローンや教育費を考えるときに、この「読める」は思っている以上に効きます。
求められるスキル
大学職員に必須の資格はありません。ただ、あると評価されやすいものはあります。
1. 調整力・コミュニケーション力
最重要です。学生対応より、教員対応のほうが神経を使います。締切のリマインドひとつ取っても、最初は優しく、次は事務的に、最後は「お願いです」と、トーンを段階的に変えていく職人芸のようなものが自然と身につきます。
2. 文書作成能力
規程、議事録、通知文、対外文書。大学は文書で動く組織です。前職での文書経験は、そのままアピール材料になります。
3. パソコンスキル(特にExcel)
学生データの処理、集計、名簿管理。地味ですが、できる人は重宝されます。
4. 数字を読む力
私が銀行で決算書を読んでいた経験は、財務系の部署で直接活きました。必須ではありませんが、大学の経営状況を理解できる職員は貴重です。
大学業界の将来性
正直に書きます。18歳人口は減り続けます。これは統計上ほぼ確定した未来で、大学業界全体としては縮小圧力がかかります。
ただし、それは「大学職員という仕事がなくなる」という意味ではありません。
| 厳しくなること | 価値が上がること |
|---|---|
| 定員割れが続く大学の経営 | 学生募集・広報の企画力 |
| 前例踏襲だけの業務 | 業務のIT化・効率化 |
| 大学数そのもの | 外部資金の獲得・産学連携 |
| — | 経営を数字で理解できる人材 |
つまり、大学が減るからこそ、生き残る大学を選ぶ目と、その大学を強くできる職員の価値が上がるという構図です。
だから私は、応募先を選ぶときに財務資料を読むことを強くすすめています。安定を求めて転職するのに、経営が苦しい大学に入ってしまっては本末転倒だからです。
大学職員への転職 5STEP
ここからが本題です。私が2回目にやったことを、順番どおりに書きます。
STEP 1|求人が出たら気づける状態を作る
大学職員の求人は、気づいたときには締切が過ぎていることが本当に多いです。募集期間が2〜3週間しかないものも珍しくありません。
私が2回目に受けた大学も、たまたま求人サイトを見ていて見つけました。あのとき見ていなければ、その求人の存在すら知らないままだったはずです。
つまり、応募を決めてから探し始めるのでは間に合わない。まず「求人が出たら気づける状態」を先に作ります。具体的なやり方は次の章に書きました。
STEP 2|応募先を3つの層に分ける
見つけた求人を、第一志望群(3〜5校)・第二志望群(5〜10校)・練習用(数校)に分けます。
理由は単純で、1校分の書類を本気で仕上げると10〜20時間かかるからです。全部に同じ熱量を注ぐと、共倒れになります。1回目の私がまさにそれで、4校に薄く配って全部落ちました。
第一志望群だけは中期計画や財務資料まで読み込む。練習用は基本形で出して場慣れする。熱量を意図的に偏らせるのが、働きながら転職活動をする現実的なやり方です。
STEP 3|書く順番を守って書類を作る
書く順番があります。履歴書 → 職務経歴書 → 志望動機 → 自己PRです。
なぜこの順番かというと、志望動機から書き始めると必ず手が止まるからです。材料がない状態で気持ちだけ書こうとするので、「教育に貢献したい」から先に進まない。あの年賀状ができあがります。
先に履歴書で事実を固め、次に職務経歴書で経験を棚卸しすると、志望動機に使える材料が机の上に出そろった状態になります。そこで初めて「この経験は、この大学のこの課題に効くかもしれない」とつながる。順番を変えるだけで、書ける文章が変わります。
📖 もっと詳しく
STEP 4|「落とす試験」と「残す試験」を切り替える
選考の形は大学によって違いますが、構造は共通しています。書類・筆記は「落とす試験」、面接は「残す試験」です。
前半は条件を満たさない人を絞る段階なので、ミスをしないことが最優先になります。日付の食い違い、誤字、空欄。中身の勝負に入る前に切られます。
面接まで進むと評価の軸が変わります。ここで見られるのは実績の大きさではなく、「この人と一緒に働きたいか」です。仕事の中心が調整である以上、人柄や落ち着きが実績以上に効きます。
前半と後半で求められるものが違う。ここを切り替えられるかどうかが、通過率を分けます。
📖 もっと詳しく
– 筆記試験の対策
STEP 5|落ちたら、どこで落ちたかを見る
大学職員の倍率は高く、一度で決まらないほうが普通です。私は4連敗しました。
落ちたときにやってはいけないのは、「自分には能力がない」と結論づけることです。私も一度そう思って諦めましたが、2年後に同じ学歴・同じ職歴で受かっています。足りなかったのは能力ではなく準備でした。
見るべきはどの段階で落ちたかです。書類で落ちたなら、相手を調べる工程が足りていない可能性が高い。面接で落ちたなら、書類は通っているので伝え方の問題です。直す場所がまったく違います。
求人の探し方
大学職員の求人が民間と違うのは、大学の公式採用ページに直接出るものが多いという点です。転職サイトにすべてが載るわけではありません。
しかも各大学が個別に出すので、全国の大学のサイトを毎日見て回らないと拾えないという構造になっています。これを手作業でやるのは無理があります。
だから3つを組み合わせます。
① 当サイトの求人一覧(毎日自動更新)
全国の大学の公式採用ページを毎朝巡回して、新着求人をまとめています。1校ずつ見て回る手間をなくすために作りました。私が求人を見逃して悔しい思いをしたので、同じことが起きないようにという意図です。
② 転職サイトに登録しておく
マイナビ転職・dodaなどには、大学・学校法人の求人が掲載されることがあります。私が2回目に受けた大学も、求人サイトで見つけました。
登録は数分で終わります。求人が出たときに気づける状態を作る、それだけのために先に済ませておく価値があります。
③ 転職エージェントは「選考対策」に使う
エージェントから大学職員の求人を紹介される機会は、民間ほど多くありません。ここは期待しすぎないほうがいいです。
ただし書類添削や面接対策は無料で受けられます。求人紹介の窓口ではなく、選考支援の窓口として使うと価値があります。
よくある質問
Q. 未経験でも大学職員になれますか?
なれます。私自身が銀行からの転職です。ただし「未経験可」の求人でも、前職の経験を大学の仕事に翻訳して伝えられるかが問われます。
Q. 何歳まで転職できますか?
求人ごとに条件は異なりますが、20代後半〜30代の中途採用は珍しくありません。年齢が上がるほど「即戦力として何ができるか」の説明が求められます。
Q. 資格は必要ですか?
必須の資格はありません。あると評価されやすいのは簿記やMOSなど、実務に直結するものです。資格より、経験の翻訳のほうが重要です。
Q. 倍率はどのくらいですか?
大学と職種によりますが、人気大学では数百倍になることもあります。私が受かったときは約200倍でした。ただし、全員が本気で準備しているわけではありません。
Q. 学歴フィルターはありますか?
公表されるものではないので断定はできません。ただ、私の周囲を見るかぎり、出身大学だけで決まっている印象はありません。
Q. 転職して年収は下がりますか?
前職と大学によります。下がるケースもありますが、時間や安定と引き換えに納得できるかどうかが判断軸になります。
Q. 忙しいですか?残業はありますか?
部署と時期によります。繁忙期はあります。ただ、いつ来るかが分かっているので、備えられます。
Q. どの部署に配属されるか選べますか?
希望は出せますが、確約されないのが一般的です。ここは民間企業と同じです。
Q. 働きながら準備できますか?
できます。私も働きながら準備しました。ただし1校あたり10〜20時間かかるので、応募先を絞ることが前提になります。
まとめ|準備した人から、順番に受かります
最後に、2回目の準備をしていたときのことを書かせてください。
やっていた作業自体は、地味なものです。応募先の中期計画を読む。決算書を見る。自分の職歴を書き出して、大学のどの仕事につながるかを1つずつ確かめる。深夜にやっていました。
ただ、あの時期の手応えは1回目とまったく違いました。「受かるかどうか」ではなく「何を伝えるか」を考えている自分がいたからです。相手を調べれば調べるほど、書くことが増えていきました。
そして受かった今、平日の夕方に家にいます。子どもと過ごす時間があります。日曜の夜が憂うつではありません。数字に追われないぶん、自分の時間で本を読んだりこのサイトを書いたりできています。
200倍という数字は、たしかに大きいです。でも、その200人が全員きちんと準備しているわけではありません。 1回目の私のように、年賀状を送っている人もいます。準備のやり方を変えるだけで、通過する側に回れる可能性は十分にあります。
このサイトには、私が2回目にやったことを全部書いています。順番に読んでいけば、次に何をすればいいかが分かるようにしてあります。
まずは、いま出ている求人を眺めるところから始めてみてください。
このサイトについて
なぜこのサイトを作ったのか
2回目の挑戦で受かったとき、私が頼りにしたのは先に大学職員になっていた方でした。
有料のnote記事を熟読して業界のことを学び、その記事を書いていた方に個別で相談させてもらいました。書類も面接も、その方の視点を借りながら準備しました。あの支援がなければ、200倍を通過できていたとは思いません。
ところが、その方はもう大学職員向けの転職サポートをされていません。
つまり、かつての私と同じように困っている人が、私が受けられた支援を今は受けられない状態です。だったら、次は自分がその役をやろうと思いました。それがこのサイトを始めた理由です。
運営者
[プロフィール画像]
なおき|元銀行員 × 現役大学職員(7年目)
銀行に5年勤め、法人融資を担当して企業の決算書を読む仕事をしていました。中途採用で大学業界へ転職し、大学職員として7年目になります。妻と子ども3人の5人家族です。
1回目は4連敗、2回目で倍率200倍を通過しました。落ちる側と受かる側の両方を経験しているので、「民間の経験をどう大学向けに翻訳するか」を具体的に書けると思っています。
このサイトで発信していること
| テーマ | 内容 |
|---|---|
| 転職対策 | 履歴書・職務経歴書・志望動機・面接の具体的な書き方と答え方 |
| 仕事のリアル | 年収・1日の流れ・向き不向き・転職して感じたこと |
| 大学の財務分析 | 元銀行員の視点で、大学の経営状況を数字から読み解く |
| 求人情報 | 全国の大学の公式採用ページを毎日巡回して更新 |
書くときに決めていること
- 公開情報と自分の実体験だけを使い、勤務先の非公開情報は扱いません
- 「絶対に受かる」といった保証はしません。選考基準は大学によって異なります
- 紹介する転職サービスは、自分が説明できるものだけに絞っています
全記事一覧
大学職員という仕事
- 大学職員の仕事とは|業務内容・教員との関係性・適性
- 大学職員の1日の流れ|働き方・残業・忙しい時期
- 大学職員の年収・給与のリアル
- 大学職員に転職してよかったこと7選
- 「大学職員はやめとけ」と言われる理由
- 採用倍率・難易度のリアル|学歴フィルターはあるのか
- 未経験・30代から大学職員に転職する方法
- 大学職員として働く将来不安との向き合い方
- 大学ごとのカラーの違いと見極め方
応募書類の書き方
- 書類選考突破ロードマップ|6つの書類を戦略的に仕上げる5ステップ
- 履歴書の書き方|項目別に解説
- 履歴書は手書きかパソコンか
- 履歴書と職務経歴書の違い|書き分けと役割分担
- 職務経歴書の書き方|通過率を上げる3つの評価軸
- 職歴の書き方|経歴の不安をどう見せるか
- 志望動機の書き方|受かる3層リサーチ法
- 志望動機の例文集
- 自己PRの書き方|評価される強みの伝え方
- ES・応募書類のNG10選
- 書類選考で落ちる理由7つ
- 応募書類の送り方|郵送・メール・Web応募
- 大学職員に資格は必要か
筆記・面接の対策
- 面接の合否を決める6つの観点
- 大学職員の採用試験の種類
- 筆記試験の対策
- 面接でよく聞かれる質問60選
- 面接での志望動機の答え方
- 面接での自己PRの答え方
- 答えにくい質問への対処法
- 逆質問で何を聞くか
- 転職理由の伝え方
- 落ちた後・再応募の考え方

